埒外の世界 part08




そういえば僕狂気状態だった。
人の言うことを聞かないという狂気なので、これからは砂波さんが一番最初に行動を決めて、それから他の人は相談して行動を決めるようにしましょう。
設定上それが妥当だね。
どうします?
客間4に行きます。
わかりました。
「どういうことだどういうことだどういうことだ。
 とりあえず部屋の探索を」
「ま、待ってくださいよー!」
「あ、碧っちも待ってよ!」
誰か治療してくれ……。
あははははは!
そういえば気絶してる(笑)
「バーナビーさん! バーナビーさん!
 大丈夫ですか!?」
頑張って千奈ちゃん。
僕<応急手当>も何も持ってない。
俺も持ってない……。
山に籠るなら持っててもおかしくなさそうなのに。
なんで無いの(笑)
千奈も<応急手当>初期値だ。<医学>も無い。
俺たちの千奈ならやってくれる。
<応急手当>

 今井千奈 30>03○クリティカル!
さすが俺たちの千奈。
結婚しよ。
じゃあ最大値の3回復していいです。
結婚しよ。
何回言うの(笑)
<耐久力>

バーナビー 3→6
砂波さんに<精神分析>したいんだけどOK?
はーい。
<精神分析>

二西碧 71>69○
このシナリオ中は狂気が緩和されます。
終わったら病院に行きましょう。
「落ち着きましたか?砂波さん」
「ありがとう。正気じゃなかった……」
「こんなときに単独行動しちゃ絶対ダメですよ!」
「すみません……」
じゃあ客室4に入るか。
今ならランタンがあるから大丈夫そう。
3回しか使えないんだっけ。
どこで使うかが問題だな。
書斎は絶対使うでしょ?
書庫と書斎はそれぞれで1回使わないとダメ?
1回で両方電気つけていいよ。
じゃあ客室4と書斎で1回ずつ使って、
あと1回どこかで使うか。
そういえば気絶してる僕から鍵を取っていったのか。
確かに。
まあ戦闘中に落としたのを拾ったことにでもしよう。
ではランタンをつけてあなたたちは客間4に入り、
部屋の電気をつけます。
【客間4】

客間にはフカフカのベッド、趣のある木製のクローゼットやドレッサー等が置かれていた。下手なホテルよりも、よほど居心地がよさそうな空間である。また、上質そうなカーテンは遮光カーテンで、安眠を約束してくれそうではある。もっとも、今夜は中々眠れそうにないのだが。
<目星>振っていい?
あー……どうぞ。*1
<目星>

   砂波一晴 65>84×
   二西碧 60>97×ファンブル
   木賀廻 55>73×
僕前世はクリティカルクイーンだったのになー。*2
前世とか関係ないから。
ファンブルの人はランタンの炎を頼りなく思い、
恐怖を感じます。SANチェック。
<SANチェック>

二西碧 61>53○
1減らして。
1減るのか。
<現在SAN値>

二西碧 61→60
累計10減ったからあと4で不定入りまーす。
お疲れ様。
僕が不定に入るとはすなわち
<精神分析>持ちがいなくなることだからな。
今回は特別に、
狂気の種類によっては<精神分析>やってもいいよ。
発狂してる人が<精神分析>か……。
じゃあこっちは一時中断して、
バーナビーのほうを処理しましょう。




あなたが目を覚ますと千奈が話しかけてきます。
「あのゾンビが突き出した左手に小さな鍵が
 握られていました」
「……ゾンビを倒したのか」
ああそうか、そこからか。
「いや、無事でよかったです」
鍵には『M.H』というアルファベットを
モチーフにしたキーホルダーが付いています。
どうやら、トランクの鍵のようだ。
客間4って何があったんだっけ……。
そうか、<目星>失敗したのか。
とりあえず合流しよう。
<目星>

バーナビー 70>53○
よかった。全員失敗したらどうしようかと。
まだ俺たちの千奈が控えてるから。
ではクローゼットから古びたトランクと
その上に置いてあるロケットを見つけました。
トランクの上には写真入りのロケットが置かれていた。 写真には一人の少年と、その父親と思しき男が写っている。少年の顔には、先ほど出会ったゾンビと共通する特徴がある。 写真に写っているのが本条なる人物の少年時代であることは、間違いないように思われた。父親らしき男は、見たことのない人物だが、本条誠とよく似ているように感じる。

トランクの中には男物の衣服や日用品に混ざって、一通の封筒が入っている。 宛名も差出人も無く封もされていないが、中には数枚の便箋が折りたたまれて入っている。
便箋に書かれていたのは次のような内容です。
長いよ。
誰かへ

 この書簡を記したのは、本条誠という男だ。 もし本条誠が悲願を果たせず、不慮の事故に巻き込まれてしまった場合に、 本条誠に代わり誰かが真実を白日の元に晒してくれることを願いこの記録を残す。
 俺の悲願とは『父の失踪の真実を探ること』である。 真実を知るための鍵は、この館の主、木賀代が握っている。

 事の経緯を簡潔に記す。 13年前、俺の父親はまだ中学生だった俺と、俺の母親を置いて失踪してしまった。 母と二人、お互いに支え合いながら日々を過ごしていた。
 やがて俺は18歳になった。高校卒業が迫っていたが、俺は進路を決めあぐねていた。 大学に行きたいという気持ちはあったが、母一人の稼ぎでは難しく、諦めざるを得なかったためだ。 そんな時に救いの手を差し伸べてくれたのが木賀代だった。
 5年前のことだ。 俺と母は父の失踪後、木賀の所有する集合住宅に暮らしており、そこの集まりで彼と出会った。 詳細を書くと長くなるため省くが、ようするに足長おじさんになってくれたというわけだ。 俺は大学に入学することができた。木賀は「出世払いで頼むよ」と、そう言って笑っていた。 それ以降、俺は木賀を父親のように慕い交流を深めていった。

 そんなある日、木賀と一緒にバーに行き、取り留めのない会話をしている時のことだった。 俺が失踪した父親の話題を出した際に彼は間違いなくこう言ったのだ。
「何故失踪してしまったのかは考えも及ばないが……
 きっと『春原さん』は今でも君の事を……」

 俺の姓『本条』は母方の姓名である。俺は父の姓……『春原』を木賀に教えたことは無かった。 母親は父の名を出すことを嫌っているため、母から伝え聞いたということも考えにくい。 不信感を覚えた俺は当日に問いただすことはせず、木賀のことを調べ始めた。 すると木賀が丁度5年前から、奇妙な共通点を持つ者たちと交流を始めていたことが分かってしまった。 両親に捨てられた姉妹を養子にし、俺を含め3人の『父親が失踪した人物』と接触しているのだ。

 木賀代は何かを知っている。 その考えを裏付けるかのように催された今夜のパーティである。 間違いなく何かを狙ってのことだと思う。だが、むしろ好都合だ。 俺は木賀に頼み込んで、宴の前日にこの館に泊まりに来ることを許可してもらった。 「折角の機会なので、まずは前夜祭として二人でワインを楽しもう」 そんな適当な理由付けだったが、木賀はワインに目が無い。 快く許可してもらえたので、俺は館内部を調べて回った。
 木賀が書斎を占拠していることもあり、決定的な証拠は見つからなかったが…… 不気味な、恐らく地下へと繋がる扉を2箇所で見つけ出すことができた。 一つは中庭の地面に。しかし金庫のようなダイヤルロックがかかっており、開けることが出来なかった。 そしてもう一つは、木賀代自慢のワインセラー内部だ。 こちらは普通の鍵で開けられそうだ。木賀家の長女が鍵を持っていたので、こっそり拝借した。 直感だが、地下を調べることで父の失踪の真実を知ることができる……そんな気がする。

 俺はこれからワインセラーの扉を開き、地下室へ向かおうと思う。 だが、俺は木賀が父の失踪にどのように関わっているのか見当もつかない。 もしかすると、俺は触れてはならないことに首を突っ込んでしまったのかもしれない。 それでも、俺はこの探索をやめるつもりは全くない。

 冒頭に話を戻す。俺の身に何かが起きることは十二分に考えられる。 そうなってしまった場合、俺の代わりに木賀代の秘密を暴露して欲しい。 そして俺の母親に一言「育ててくれてありがとう」と、そう伝えてほしい。

本条 誠
なるほど。
「俺と一緒だ」
自分語りをするのなんか恥ずかしいな。
して!
(笑)
「どういうことですか?」
「俺も物心つく前に父親が蒸発してしまって、
 でも母親に聞いても何も教えてもらえなかった」
「もしかしたらここに書いてあることが関係
 あるのかもしれない」
「私と一緒ですね……」




次は書斎行くかー。
どうする? 分かれて探索とかする?
一緒でいいんじゃない?
じゃあみんなで書斎。
ランタン使うよね?
使う。怖いし。
はいでは部屋の電気も付けました。
あるのは本棚、デスク、ソファとテーブルです。
ソファ&テーブル?
ソファ&テーブル。だから探索できるのは3か所。
<図書館>強い人いる?
オレ、トショカン、ツヨイ。
いくつ?
70。
キサマ、トショカン、イクツ?
初期値。
なめてんのか!?(笑)
ひどい(笑)
<図書館>

二西碧 60>95×
バーナビー 70>75×
今井千奈 70>50
はい俺たちの千奈。結婚しよ。
よかったねぇ。
千奈の活躍が目覚ましすぎる。
本棚について千奈がざっと見て次のように言います。
「ここは本がありすぎて、どんな本を探すのか
 目的を持って探さないと無理そうですね……」
あらゆるジャンルがバーっと入ってるってこと?
そうです。
イルミネーションの本を探す。
今まで見たのと似たような本しかありません。
なんだっけ、サンプルとかなんか……。
今日メモ取ってる人いなくね?
そんな……。
……誰もメモを取っていないのである。*3
誰もメモを取っていないのである!!
どうして!
そう言う彼もメモを取っていないのである。
なんで!! 何を調べていいか思い出せないの!!
そう叫んでいる彼もメモを取っていないのである。
つらみが溢れるのぉ……。
ゾンビも結局なんだったのかな。
そういうのを調べるのかな。
父親が失踪してるのはたぶん違うよな。
2分経過。
誰も覚えていないのである。
銃と一緒にサンプル用って書いてあったじゃん?
そういうのから何かわかんないかなー。
<図書館>成功してるし、それくらいでいいか。
「弾丸に刻まれている紋様がこの本に
 載ってますよ!」
おおさすが千奈。
(ニヤッ)
バーナビーさんめっちゃドヤ顔やんけ!!
『俺の千奈がやってくれただろ?』
みたいな顔してる。
その本のタイトルには
『Pnakotic Manuscript』と書いてあります。*4
古ぼけたボロボロの本で、中身は古めかしい英語で
書かれている。古い本は他にもあるのだが、この本は
他の本とは違う不気味な雰囲気を醸している。
読むか。
1000ページ以上あって読むのに時間がかかるので、
シナリオ中では読むことはできません。
そういえばバーナビーさんってさ、不定は大丈夫?
不定ってどこからだっけ?
最初から。
…………。
ゾンビ見たときに不定になったんじゃない?
<不定の狂気の種類>

バーナビー 1d4→1ニクトフォビア(暗所恐怖症)
さっきからずっと明るい場所にいるから大丈夫?
大丈夫。
「気づくの遅れてごめんなさい!
 砂波さんに比べてあまりにも自然だったので!」
<精神分析>

二西碧 71>06○スペシャル
拳銃と一緒に出てきた羊皮紙のPMって
『Pnakotic Manuscript』のことかな。
『Elder Things』……。
では『Pnakotic Manuscript』の目次に
『Elder Things』の項目を見つけます。
何ページ?
193ページ。
じゃあ僕が読もう。
『Elder Things』の項には、太古の偉大なる種族の
『古のもの』についてかかれていました。
SANチェックどうぞ。
<SANチェック>

バーナビー 49>23○
SAN値を1減らして、<クトゥルフ神話>を
1%増やして。
それだけ?
ぶっちゃけこのシナリオに直接関係ないです。
<現在SAN値>

バーナビー 49→48
LRLLがまだわからん。
何かを左右にずらしたりするんだろうけど……。
ページ数が4桁だったらよかった。
頭いいから思いつきたい。
その発言が頭悪い。
デスク見ていい?
どうぞどうぞ。
【木賀のデスク】

ノートパソコンが置かれている。電源が入ったままで、TRPGのシナリオを執筆中であることがわかる。 パソコンの中には有益な情報は無い。完全に趣味のためのツールなのだ。 また、他のシステムのルールブックが何冊か積み上げられており、どうやら参考資料のようだ。
<目星>するね。
<目星>

砂波一晴 60>17
二西碧 60>74×
数多くあるルールブックのうちの一冊に、ずいぶんと
古ぼけた、押し花をラミネート加工した手作り感
あふれる栞が挟まれていることに気がつける。
栞が挟まってるページって何かある?
何もないです。ただのルルブ。
押し花の栞って戻した?
じゃあバーナビーにも見せる。
千奈に見せる。
それを見ると千奈は非常に驚きます。
「お父さんが居なくなったのが13年前で、
 私と木賀さんが知り合ったのは5年前なんですよ?」
「なんで、こんなところに……。
 これ、お父さんにあげたやつです……」
「千奈さんのお父さんと
 木賀さんは何か関係してたんでしょうね」
「そうなんですかね……。
 ちょっと理解が追い付かないです……」
ソファー&テーブル調べてもいいっすか?
調べるっす。<目星>振るね。
<目星>不要です。
不要っすかぁ……。
ガラステーブルの上に、キーホルダーのついた
自動車のキーが無造作に置かれている。
これは車庫にあるミニバンのキーである。
わーい!!
誰が免許持ってるんだ? 千奈が持ってる?
え、じゃあ千奈も一応持ってる。
技能は初期値だけど。
さて、これからどうしよう。中庭かなー。
電源……タチアオイ……。
タチアオイってそもそも何だっけ?
植物。見たらわかるよ僕。
見たら誰でもわかるの?
僕が<生物学>持ってるから知ってることになった。
そういう会話してるなら、
「私もわかりますよ!」
といいます。
さすがだぜ!!
他に何か調べることある?
暗号についてとか。
LRLLの話? じゃあ<アイデア>で。
そんなに教えてくれるのか。
リアルアイデアで思いつきたい感もあったけど。
<アイデア>

バーナビー 75>61○
では本条の遺書に、
『中庭にはダイヤルロックがかかっていた』
という記述があったことを思い出します。
それを左、右、左、左か。
さらに『Pnakotic Manuscript』はとても分厚い、
まあ1000ページ以上あるので、
193は0193なのではないかと思います。
あとは何かある?
部屋は一通り調べたんだよね?
じゃあ出るか。
今ランタン2回使ったんだよね?
あと1回。
地下で使うのかな。
中庭で1回使うんじゃない?
ランタンと懐中電灯ってそんなに光量違う?
光の強さは変わらないけど範囲が違う。
全員<目星>振ってくれる?
<目星>

砂波一晴  65>86×
二西碧   60>95×
バーナビー 70>88×
今井千奈  25>42×
木賀廻   55>63×
全滅した……。
ランタンについての情報をあげたかったのに……。
ダメですねー。
気持ち切り替えていこう!





*1 ここ本来<目星>いらない

*2 毎回似たようなこと言ってる

*3 2016年末頃から流行った『誰も消防車を呼んでいないのである!』が元ネタ

*4 日本語だと『ナコト写本』