埒外の世界 part02
姉妹に案内され、探索者達は2階にある書斎へと通される。
そこは本棚とデスク、それにソファーとテーブルが配置された本の虫にはたまらない空間だった。
あなた達が入ると、パソコンに向かって何かを書いていた男がその手を止めた。
くるりとこちらを振り返った人物は、木賀代その人であった。
彼はあなたたちに、笑顔で挨拶をします。
「おお、そろそろ来る頃だと思っていたよ!
ようこそ!」
「木賀さん、どうもお久しぶりです」
「君とはそこそこに長い付き合いだったが、
我が家に招くのは初めてだったね」
「そうですね、まあTRPGとかボードゲームとかしないんで機会が無かったですね」
「今日はパーティーを楽しんで行くといい」
「はい、ありがとうございます」
「えーっと、そちらは千奈くんの友人かな?」
千奈に紹介してもらうように頼む。
人任せ。
いや、社会復帰の訓練よ。
「この人はバーナビー・ボールドウィンといって、
大学の友人です」
「どうも、バーナビーです。よろしくお願いします」
「よろしく」
「二西碧といいます。
本日はお招きいただきありがとうございます」
とめっちゃ愛想振りまきます。
「想と廻からよく話を聞いてるよ。
それなら僕にとっても息子のようなものだ」
「何かあれば何でも言ってくれたまえ。
今日は楽しんで行くといい」
「そういえば今日ってボードゲームとか
TRPGのパーティーですか?」
「詳細は秘密だ。まあ、食後は娯楽室で
いろいろレクリエーションを用意しているよ」
「じゃあそれも楽しみにしてますね」
「ああそうだ、中庭には面白い仕掛けを
用意しているんだけど、夜になるまでは
入らないでくれ」
「わかりました」
「他に参加者の方はいらっしゃるんですか?」
「君たちの他には本条という人が参加しているよ」
本条って誰だ。
誰も知り合いじゃないからな。
「彼は大学院に通っている青年だよ。
結構体格がいい感じの人で、
一緒にお酒を飲むのが楽しいんだ」
「うちにはワインセラーがあってね、
もしよければ砂波くんも飲まないかい?
最高のワインを約束するよ」
「いや、二十歳じゃないんで遠慮しときます……」
「そうだったそうだった。実に残念だ」
「二十歳になったらすぐ来ます!」
「楽しみにしてるよ」
「バーナビーくんはどうだい?」
どうしよう、<CON×5>で飲むか判定しようかな。
アメリカ西部出身だっけ?
だったら飲む人多い気がするけどな。
じゃあ飲むか。
「ぜひ頂きたいと思います」
千奈って飲める人?
年齢的には飲めるけど……どうしようかな。
CON低いのであまり強くは無いって感じにします。
「今日の夕食は想が用意してくれるんだけど、
想の料理はプロ級だからね!
お酒だけじゃなくそれも楽しみにしてるといいよ」
「僕も手伝います! 想姉ちゃんに
料理習っていたおかげで上手になったんですよ!」
「じゃあ久しぶりに一緒に作ろうか」
「あ、忘れてた。想姉ちゃんと廻姉ちゃんに
プレゼント持ってきたんだよ!」
と言って、羊毛フェルトを渡します。
????????
あ、羊毛フェルトで作ったものを渡したのか。
羊毛フェルトそのものはやばい。
素材納品かな?
羊毛フェルトで作ったクマの人形と
ヒヨコの人形をそれぞれ渡します。
二人はお礼を言って受け取ります。
この家って街外れの森の中だっけ?
散歩していい?
あともうちょっとだけ木賀代のセリフあるから
そのあとでいい?
まだ会話の途中だったか……。
屋内にいれない病気か?
「夕食まで自由に館内を使ってかまわないよ。
自慢の大浴場もあるんだけど、
今のうちに入ってたらどうだい?」
「ご飯のあとはレクリエーションを予定してるから、
疲れてそのまま眠りたくなるかもしれないしね」
「まあ、砂波くんは外を散策したいかな?
それでもかまわないよ」
ここでいつサバイバルになってもいいように
周囲の様子を確認するか。
(笑)
「千奈、僕たちは先にお風呂をいただいちゃおうか」
「私娯楽室行きたい!!
TRPGとか絶対いろいろあると思うから!!」
興奮してる?
めっちゃ興奮してる。
「じゃあそっち行こうか」
「やったー!」
「廻姉ちゃんはどうするの?」
「私は料理できないし、
2人が作ってるの見守ってるよ」
他なにか聞きたいことある?
もう特にないかな。
じゃあ最後に
「私は書き物をしているので、
夕食の時間までは書斎に入らないでくれるかな?」
と言います。
書斎を出ると、廻が客室に案内してくれます。
というわけで屋敷のマップを公開します。
※左下にも表示しています。クリックで拡大。
娯楽室でっか!
いいなー。
2階の真ん中は空いてるって感じ?
うん、吹き抜け。
「あ、部屋割りどうしよう。
1人1部屋ってわけにはいかないね」
本条さんがいるから空いてるのは3部屋か。
お姉ちゃんズの部屋はどこ?
お姉ちゃんズは1階の洋室です。
「4番の部屋は本条さんが使ってるから、
どうしよっかなー」
「バーナビーさんと千奈さんが同性だったら
同じ部屋を使って貰おうと思ったんだけどなー」
「よし、碧っちが私たちの部屋に来る?」
「じゃあ行く!」
「一件落着だね!」
よかった。
何番とか選んでいい?
いいよ。
じゃあ1。
残りは2と3?
千奈がダイス振って決めたことにしよう。
<部屋決め>
バーナビー 1d2+1→2
じゃあ僕が2で千奈が3にする。
そういえばさ、探索者の僕は知らないことだけど、
視線を感じた部屋ってどの部屋なの?
客室4です。